〜入門編 (^^/〜




 まず将棋をはじめるためには,最低限のルール,駒の配置・動きなどを知らなければなりません.
 ‥といっても,どれもとても簡単なもの(^^)b
 まずはサクサクッと覚えて,名人への第一歩を踏み出しましょう〜♪(^^/

 ◆駒の種類と名前
 ◆駒の動かし方
 ◆駒の並べ方 (配置)
 ◆棋譜の読み方
 ◆将棋のルール
 ◆将棋のマナー


 
◆駒の種類と名前
 将棋の勝負をはじめることを,「将棋を()す」と言います. 囲碁や麻雀のように,「将棋を打つ」とは言いません.
 将棋の駒を並べるための将棋盤(しょうぎばん)には,9×9=81のマス目があり,そこに駒を配置してスタートです.
 まずは,その駒の種類と名前について.

王将 (おうしょう)
 一番えらい,大切な駒です.(笑)
 略すと「(おう)」と言います.
 「王様(おうさま)」とゆう人もいますが,同じ駒のことです.勝負は,この王が次に必ず取られてしまう状態(※()み)になると負けになり,終了します.
玉将 (ぎょくしょう)
 王と同じですが,なぜか使われる駒です.(^-^;)
 ってゆうか,元々はこの「玉将」だけだったみたいです.
 略すと「(ぎょく)」と言います.
 でも,次に王(玉)を取るぞ,とゆう手のことを「王手(おうて)」と言いますが,「玉手(ぎょくて)」とは言いません. 玉を取りに行った時も,「王手」です.
 よく目上の人や強い人など上手(うわて)側が王を持ち,そうでない方が下手(したて)側として玉を使っています. ほぼ同じ強さの人同士が対局する場合は,先に指し始める先手(せんて)が玉を持ち,後攻め側の後手(ごて)が王を持ちます.
 【Ninoの将棋の間】では,特に必要のない限り基本的に『玉』を使うことにします(^^)b
[大駒] 飛車 (ひしゃ)
 とても攻撃力の強い駒です.
 略すと「()」と言いますが,略さない場合も多いです.
[大駒] 角行 (かくこう)
 「角行(かくぎょう)」とも呼ばれます. 略すと「(かく)」です.
 飛と角は,働きが強力で駒も大きめであることから「大駒(おおごま)」と呼ばれています.
[小駒] 金将 (きんしょう)
 略すと「(きん)」です.
 攻めにも守りにも心強い駒です.
[小駒] 銀将 (ぎんしょう)
 略すと「(ぎん)」です.
 なかなか重要な役割を果たすことが多い駒です.
[小駒] 桂馬 (けいま)
 略すと「(けい)」です.
 特殊な動きをするので,よく意外な力を発揮します.
[小駒] 香車 (きょうしゃ)
 略すと「(きょう)」です.
 ひたすらまっすぐ突き進む性質から,別名「やり」とも言われています.
[小駒] 歩兵 (ふひょう)
 「歩兵(ほへい)」ではありません.(爆)
 略すと「()」です.
 前にいっこ進めるだけの弱い駒ですが,強い人ほどこの歩を巧みに使う,絶対に侮れない駒です.
 金・銀・桂・香・歩の5種類は,「小駒(こごま)」と呼ばれます.

 玉(王)と金以外の駒には裏側にも文字があり,相手陣地(3段目以内)に入るか,そこから移動すると,駒を裏返して働きを変えることができます.
 それを「()る」と言います.
 あとで述べますが,それぞれの駒には成った時の動きが決められています. 成った方が働きが強くなることが多いですが,『銀は成らずに好手あり』などと言われるように,成らない方が良い場面もあります. 成るかどうかは,指す人の自由ですが,一度成ったら,元に戻すことはできません.
 とりあえず,飛・角・歩の3枚は,動きがプラスされるだけ(=より強力になる)なので,ごく稀な例外以外ほぼすべての場合に,成れる時には絶対成っておいた方が得です. すぐ取られてしまいそうでも,必ず成る習慣をつけましょう♪(^^)b
 以下に,成った場合の呼び名を記します.

[成り駒] 龍王 (りゅうおう)
 飛の成ったもので,「竜王(りゅうおう)」と書くことも多いです.
 略すと「(りゅう)」と言います.
 動きはもう最強で,危険が迫ると,王よりもこちらを大事にしてしまう人も多いです.(^-^;)
[成り駒] 龍馬 (りゅうま)
 角の成ったものです.
 幕末の志士・坂本龍馬と字は同じですが,読み違えないように‥(爆)
 略すと「(うま)」と言い,その強力な働きは龍王と双璧をなします.
[成り駒] 成銀 (なりぎん)
 銀の成ったものです.
 金と同じ動きをします.
[成り駒] 成桂 (なりけい)
 桂の成ったものです.
 金と同じ動きをします.
[成り駒] 成香 (なりきょう)
 香の成ったものです.
 金と同じ動きをします.
[成り駒] (きん)
 歩の成ったものです.
 略すと「と」で,金と同じ動きをします.

 ちなみに,成銀・成桂・成香・と金の4種は,成るとすべて金と同じ働きをすることから,『金』とゆう字を崩した文字が使われています. しかも何が成ったものかが分かるように,それぞれ崩し方が違います. 『と』も,『金』を崩したものだそうです.(^-^;)
 ‥って,どうゆう崩し方をすればああなったのか分からないけど,少し崩しすぎの気もしますね‥(^^;) (笑)

 

 
◆駒の動かし方
 では,次に駒の動きです.
 駒を動かす時,その移動先に相手の駒がいたら,その駒を取り上げて自分の駒とすることができます. それを「()(ごま)」といい,あとでいつでも好きなところに打って使うことができます.
 また,移動中に自分の駒や相手の駒にぶつかる場合,それを飛び越えることはできません. (ただし,桂だけは別です)
 盤上の角や端のマスに行ってしまった場合は,そこで行き止まりになり,それ以上先には進めません.
 それでは,それぞれの動きを覚えましょう(^^/

        
     
     
     
        
        
        
        
 
 玉は,自分の周り1マスなら,縦・横・斜めどこに行くこともできます. 敵陣に入っても,成ることはできません.
 
 飛は,縦・横にどこまでも行くことができます.

       
       
    
     
    ××
       
    
  ××   
  ×   
 
 角は,斜め方向にどこまでも行けます.
 
 金は,斜め下へはどちらにも行けませんが,それ以外の動きは玉と同じです. やはり敵陣に入っても成ることはできません.
 
 銀は,左右と真下へ動けません. 前方以外は金と反対ですね.(^^)b

     
       
        
        
        
      
       
      
     ×   
 
 桂は,2つ進んで右 or 左,とゆう特殊な動きをします. しかも間にどんな駒があっても飛び越せます.
 それで,桂を動かす時は,「飛ぶ」とか「跳ねる」などとよく言われます.
 
 香は,前方向へはどこまでも進めるので,時として非常に強力な駒になります. ただし,バックはできません.
 まぁ,イノシシのイメージで。。(^^;)b (爆)
 飛・角・香は,飛び道具とも言われます.(桂も言われることがあります)
 
 歩は,前に1つだけ進めます. それ以外の動きはできません.
 ※ 注意!!(>▽<;)/
 桂・香・歩の3種は前方にしか進めないため,青字で示したような場所(桂は1段目と2段目,香・歩は1段目)まで行くと,それ以上動けなくなってしまいます. その場合は,必ず成らなければなりません. (成ると金の動きになり,横や後ろに移動できるからです)
 また,桂・香・歩を持ち駒として持っていても,そうゆう場所へは打ってはいけません.
 いずれもルールで禁止されている「(きん)()」で,うっかり忘れてやってしまうと反則負けとなります.
        
        
        
        
      
      
        
        
 
 飛が成った龍は,飛の動きに加えて斜め方向にも各1マス動けるようになります.
 攻撃力は最大級.

 龍と馬の動きは,元の大駒の動きに加えて玉の動きがプラスされる,と覚えて下さい.(^^)b (龍=飛+玉, 馬=角+玉)
        
        
       
       
   
   
××   
       
       
 
 角が成った馬は,角の動きに加えて縦・横にも各1マス動けるようになります.
 『馬の守りは金銀3枚』と言われるほど,守備力が高いです. もちろん,攻めにも大変威力を発揮します.
 成銀・成桂・成香・と
 小駒が成ったら,すべて金と同じ動きになります.
 例として,「と」の動きだけを示しておきます.(それ以外だと将棋盤表示(HTML)が乱れるので(^^;))
 もちろん,成銀・成桂・成香も同じ動きです.

 すぐ覚えられそうなぐらい簡単ですね.(☆^ー゜)v
 金・銀・桂がちょっとだけややこしいかな??

 

 
◆駒の並べ方
 さぁ,駒の名前と動きを覚えたところで,いよいよゲームスタートです.(^^/
 将棋開始時の駒の初期配置は次のとおりです.

 
     
 
         
         
         
       

 将棋の駒は,玉・飛・角が各1枚, 金・銀・桂・香が各2枚, 歩が9枚の計20枚をそれぞれが持ってスタートします.
 初期配置は左の図の通りです♪(^^)b 。。。テーブルとスタイルシートの配置にしこたま疲れまぴた‥(>▽<;) (爆)

 なお,図は「平手(ひらて)」と呼ばれる普通の対局の時の並べ方ですが,実力が明らかに違う人どうしが対戦する場合などには,ハンデとして上手側から何枚かの駒を抜いて指すことがあります.
 そのことを「駒落(こまお)ち」といい,左右の香をはずす「香落ち」や,「角落ち」・「飛落ち」などの「大駒落ち」,飛と左の香を落とす「飛香落ち」などがあります. さらにもっと実力が違う場合などは,飛・角・桂2枚・香2枚をはずす「6枚落ち」,それに加えて銀まではずす「8枚落ち」もあります.(^^;)
 駒落ちで始める場合は,上手側が先手となり,下手側が後手となります.


 ちなみに,並べる順序は正式には特に決まっていませんが, 玉 → 左の金 → 右の金 → 左の銀 → 右の銀 → 左の桂 → 右の桂 → 左の香 → 右の香 → 角 → 飛 → 中央の歩 → その左隣の歩 → 右隣の歩 → (さらに外側へ)左 → 右 → 左 → 右 ,と並べるのが普通です.

 

 
◆棋譜の読み方
 さてゲームを開始する前に,少し棋譜(きふ)の読み方について説明しておきます.(^^)b
 将棋で,どこに何の駒を指したのか,またはどんな感じで進行しているのか,を他の人に伝えるのに,この棋譜とゆうのを使います. 将棋の説明や本などでも,99.99999%はこの棋譜が用いられるはずです. もちろん【Ninoの将棋の間】でも,棋譜を用いて説明していきます.


 棋譜の読み方は簡単です.(^^)b
 まず,将棋盤の縦のラインのことをよく「(すじ)」と言い,アラビア数字(1〜9)で表します.
 左の図で,印のあるのは5筋,飛のいるのは2筋,といった具合です.
 横のラインは,列と言ったり段と言ったりしますが。。まぁどっちでも良いです.(^-^;) (爆)
 こちらは漢数字(一〜九)で表します.

 棋譜は,この2つの数字を組み合わせて表します. 組み合わせ方は, 縦(1〜9) → 横(一〜九) の順です.
 例えば,一番右上なら「1一」で一番左下は「9九」,印は「5五」で,飛がいる場所は「2八」とゆう感じ♪
 それに,駒の略称をつけて,どの位置にどの駒がいるのかを表します.
 したがって,図で飛がいる場所は「2八飛」とゆうことになります(^^)b

 この図で,飛が動ける場所はたくさんありますが,例えば「5八」の地点に移動したとします. そうすると,この場面からの棋譜は「5八飛」となり,『なるほど、、「2八」にいた飛が「5八」に移動したのだな‥(’’)ゞ』とゆうのがわかるわけです(^^)b


 将棋は,対戦する人が1手ずつ交互に指すゲームなので,先手が指したのか,後手が指したのかの区別をつける必要があります. それを棋譜では,先手「▲」,後手「△」で表します.
 (※ ホントは五角形の駒の形をとった,先手「」,後手「」の表記が良いのですが,PCでは「▲」の方が手軽に出せるので。。(^-^;))



 さて,駒が動く時にはこのページの最初で言ったように,相手陣地側の3段目より先に駒が進入したりそこから移動した時には「成る」ことがあります. また,指す人の意志で「成らない」こともあります.
 例えば,左図の左上を見てみて下さい.

 今,8五の地点にいる香は8二に進むことができます. そこで成って成香になれば,金の動きに代わるので,次に9一の飛か7一の飛をどちらか必ず取ることができます.
 その場合の動きは,棋譜にすれば「▲8二香(なり)」です.(「▲8二香(なる)」とも言います)
 この場合は,成った方が確実に得な場面です.(^^)b

 またここで,9五にいる桂は,次は8三の地点に移動できます. 相手陣地の3段目に入ったので成ることができますが,成ってしまうと金の動きになり,今度はあまり役に立ちません. でも成らなければ,なんとまたも9一と7一の飛に両方当たっていますね. つまり,次にどちらかの飛が必ず取れる,とゆうことです.
 このような場合は,明らかに成らない方が得です.(^^)b
 この場合の動きは,棋譜にすれば「▲8三桂不成(ならず)」と言います. 読み方は「ふなり」ではないので注意。。。それだと,歩が成る意味になってしまいます.(^-^;)b


 長くなったので,同じ場面を再掲します.(^^;)
 もうひとつ,棋譜の中で, 動いたばかりの駒を取る時 にのみ使う,別の言い方があります. 「(どう)」とか「(おな)じく」などと言ったりします.
 駒は移動しているとよくぶつかるので,これは頻繁に出てくる棋譜用語です.



 たとえば左図の右側の場面を見て下さい.
 今,先手が「▲1六歩」と,角を取りに行ったところです. 後手は,これを放置しておいては角をただで取られてしまうので,なんとかしたいところです. でも,2六の地点には味方の歩がいるので,後手の角はそこから先へは移動できません.
 2四の地点を見ると,先手の桂がいます.でもそのすぐ後ろ,2五の地点には先手の歩が控えていますね. なので,たとえその桂を取っても,角は結局2五にいる歩によって取られてしまいます.
 角と桂を交換するなんて後手としては大損ですが,まぁただで角をあげるよりはましなので仕方なく「△2四角」と,桂を取ります.
 2五に控えていた歩は,目の前に角がやって来ました. ありがたく「▲2四(どう)歩」と角を頂きましょう♪ (^ρ^)
 「▲2四(おな)じく歩」と言う場合も,意味は同じコトです.
 また,棋譜の流れから角が2四に移動してきたことは分かっているので,「2四」は省略して単に「▲同歩」と表すことの方が多いです.



 「同」の棋譜は,1点に駒が集中した場合,いくつも続くことがあります.
 たとえば左図の中央の場面,5七の地点には駒の効きが集中しています. 今,後手が「△5七金」と王手してきたところです. 先手の玉は,逃げても構いませんが,敵味方の駒の数は3対3なので,先に取ってしまえばなんとかなりそうです.
 試しに「▲5七同香」と取ってみましょう(^^)b
 以後,△5七同歩成 → ▲同香 → △同香成 → ▲同玉 となり,王手を連続されましたが最終的に事なきを得ました.
 ‥ちょっと難しかったかな??(^-^;)ゞ


 棋譜の最後は,少しやっかいな場面です.
 1つの地点に同じ駒が複数動かせる場合,どの駒が動いたのかを区別するのに(みぎ)」,「(ひだり)」,「(あがる)」,「(ひく)」,「(すぐ)」,「(よる),「(ゆく)」,「(はいる)」,「(さがる)」の9種 +持ち駒がある場合は(うつ)(「(うち)」とも言います)の,計10種を棋譜に付け加えたり,これらを組み合わせたりします.
 このうち,「行」,「入」,「下」の3つは,それぞれ「上」,「上」,「引」などでも代用できるので使われることはまずほとんどありません. まぁどちらでも良いですよ,ってことですが,なぜ重複する言葉があるのかは謎です.(^^;)

 基本的に,「右」,「左」の2種類は名詞言葉でそのまま「右の駒」,「左の駒」とゆう意味で,それ以外(「上」,「寄」などの動詞言葉)はすべて, 駒の動き を表している,と思って下さい(^^)b
 意味は以下の通りです.
-----
  ; 右側の駒
  ; 左側の駒
  ; 上方向に進む
  ; 下方向に進む
  ; まっすぐ1つ上がる
  ; 横方向に進む
 行 ; 上方向に進む
 入 ; 斜め前方に進む
 下 ; 下方向に進む
  ; 持ち駒を打つ


 ‥と言ってもわかりにくいので,さっそく左図ですが,まず左下を見ると8八の地点には金が4つも効いています. この状態で「▲8八金」などと言われても,どの金が8八に動いたのかサッパリわかりません.(-人-)
 そこで,そのあとに上記の言葉をつけて区別するわけです.
 たとえば8七の金が動いたのなら,「▲8八金(ひく)」ですし,8九の金が進んだのなら,「▲8八金(すぐ)」です. また,9八の金が右に動いたなら,左側の金が動いたわけなので,「▲8八金(ひだり)」,同様に7八の金が左に動けば,右側の金が動いたので「▲8八金(みぎ)」です.(^^)b
 「右」と「左」は動きを表しているわけじゃないので少しやっかいですが,覚えて下さいね(^^/



 さらに左図の左上には,またも8二の地点に銀が3つも効いています. しかも左側には銀が2ついますね. この場合はどう言うのでしょうか.
 正解は,9一の銀が動く場合は「▲8二銀左引(ひだりひく)」,9三の銀なら「▲8二銀左上(ひだりあがる)」(または「▲8二銀左入(ひだりはいる)」),7一の銀なら「▲8二銀(みぎ)」です.
 ただし,実際はこの地点は敵陣3段目の向こう側なので,成ることができます. 従って,成ったのか成らないのかをもそのあとに付け加えなければなりません.
 9一の銀が成るのなら,「▲8二銀左引成(ひだりひくなる)」,9三の銀が成らずに8二に動くのなら,「▲8二銀左上不成(ひだりあがるならず)」などと言わなければわかりません.(^-^;)b
 非常にめんどいですね.(>▽<;)
 ちなみに,持ち駒で銀を持っていて,8二の地点にそれを打つ場合は「▲8二銀(うつ)」となります.



 左図右上では,まぁ普通の実戦でこのような棋譜を要するなどはまずないですが‥(爆)
 この場合は,と金が2二の地点に6つとしこたま効いており,棋譜にすれば,3二から→「2二と左寄」, 3三から→「2二と左上(入)」, 2一から→「2二と引」, 2三から→「2二と直」, 1二から→「2二と右寄」, 1三から→「2二と右上(入)」になります.



 最後に左図右下ですが,2七の地点に龍と馬が効いています.
 ここに動く場合,「2七馬左」,「2七馬右」,「2七馬入」,「2七馬寄」,「2七馬上」,「2七龍引」,「2七龍上」,「2七龍下」,「2七龍行」などはみな正しいですが,それぞれどの馬や龍が動いたのかわかりますか??(^-^;)
 ちなみに,太字にしたのが,4つの龍や馬が動くのに最も一般的に使われる棋譜です.
 実戦でもこんなぜいたくな動きがしてみたいですねー♪(笑)

 

 
◆将棋のルール

 さぁ,それでは実際に将棋の勝負スタートです.(^^/
 勝負をつける以上,当然ルールがいくつか存在します.
 4つの禁じ手がありますが,いずれも簡単なルールです.
 すぐ覚えて実戦に入っちゃいましょう(^^/

()(ごま)
でゲーム開始!!

 上で勉強したような初期配置に駒を並べたら,歩を5枚(または3枚)取って,手の中でよく振り,盤の外に軽く放り出して下さい.
 その時に,表("歩兵"と書いてある方)が多く出たら駒を振った人が先手,裏("と"が書いてある方)が多く出たら,駒を振った人は後手でスタートです.
 駒を振るのはどちらでも良いですが,上手側が振ることが多いです.(^^)b


禁じ手 @
二歩(にふ) はダメ!!
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 縦の筋には,味方の歩が2つ以上あってはいけません.
 従って,左図の印の地点などには,持ち駒に歩があっても打ち込むことはできません. もちろん,マーク以外の同じ縦の筋のマス全部に当てはまります.
 これを「二歩」と言います.

 歩が成った「と金」は,もう歩ではないので,その筋に歩を打ち込んでも構いません. また,相手の歩はいても構いません. 左図のマークなどは歩を打ってOKです. (同じ縦の筋ならどこでもOKです)

 左図右下の場面,相手が龍で王手してきました.
 この時,持ち駒に歩以外の駒があれば,玉と相手の龍の間に,その駒を打ち込んで龍の攻撃を防ぐことができます. (「()(ごま)」と言います)
 でも,持ち駒が歩しかない場合,どの場所に合い駒をしても同じ縦の筋には味方の歩があるので,「二歩」になり反則です.
 ‥と言って,玉が逃げることも,盤上の金や銀を動かして玉を守ることも,合い駒にすることもできません. (無駄に龍で取られてしまうだけの意味のない手です)
 つまり,なんともあっさり負けが決まってしまった図です.(^^;)b

 このように,二歩は思わぬ厳しいルールとなることもあるので注意が必要です. ついうっかり打ってしまうことも多い二歩は,初心者の間に多く見られる反則です.


禁じ手 A
『行き所のない駒』 はダメ!!
-----
  
×××   
 ×    
        
         
         
         
         
         


 駒の動かし方のところでも上述しましたが,「行き所のない駒」を打ってはいけません.
 左図の左側4つの桂・香・歩は,いずれも行き場がないので禁じ手です.
 左図の,右側3つの桂・香・歩は,記号で示したとおり次に行ける場所があるので,打ち込んでも構いません.
 ただし,進んだら今度こそ行き場がなくなってしまうので,不成は反則です. 必ず成らなければなりません.

 このような場面が考えられるのは,
@1段目か2段目に玉やその他大事な駒がいる時に,飛び道具でそれらを狙われて合い駒で防ぎたい場合
A1段目か2段目に,相手に打たれては困る急所がある場合
などです.
 ただ,普通はめったにこのような必要が生じることはありません.(^-^;)

 でもいちおうルールはルールなので,しっかりと覚えておきましょう(`´)ゞ


千日手(せんにちて)
は指し直し。。

禁じ手 B
『連続王手の千日手』 はダメ!!
-----


・千日手になる例 (左上)
▲9三桂成 (王手)
△同桂
▲8五桂
△8一桂

・千日手にならない例 (右下)
 ▲2七玉
 △3八馬 (王手)
 ▲1八玉
 △2九馬 (王手)

 将棋で困りものなのは,「千日手」です.
 これは,お互いが途中で手を変えてしまうと形勢が不利になってしまうので,やむを得ず同じ手順を繰り返すことにより,まったく同じ局面が再度現れてしまう状態のことです.
 『千日』と言っていますが,これはまぁ「このままじゃ1000日経っても勝負はつかないよ‥」って意味でつけられたのでしょう.
 実際のルールでは, 同じ局面が4度現れたら千日手成立 とゆうことになっています. (ごく稀な例外を除いて, 同じ手順を3回繰り返す と,同じ局面が4度現れます)
 その場合,勝負は引き分けとなり,先手と後手が入れ替わって指し直しになります.
 ただし,片方が王手をかけ続けて無限ループになった場合は,千日手が成立せず(=指し直しにはならず),王手をかけている側が手を変えなければなりません.



 左図の左上側は,千日手の例です. (先手・後手とも持ち駒はない状態とします)
 今,先手に考えられる攻めはだいたい3通りぐらいです.
----- (他の攻め方が気になる人は読んで下さい(^^;))
 まず「▲8一角成」は,△同飛なら次に▲9三桂成(または▲9三香成)で詰みになり,先手の勝ちとなります. でも,△8一同玉とされると,後手玉は詰まなくなってしまいます.
 次に「▲9三香成」と桂を取って王手ですが,これは玉で取れないので,後手は△同桂です. ‥と,先手は桂を手に入れたものの,特に使い道がありません. ▲9四桂として,次に▲8二桂成の飛車取りを狙うのも悪くはありませんが,△6二飛などと,あっさりと飛車に逃げられると,玉も詰みません.
-----

 そこで,残る「9三桂成」が最善ですが,後手は△同桂とするよりありません. さらに▲同香成と,たたみかけたい気もしますが,はやると△同玉とされて,あとが続かなくなってしまうので,ここはじっと取ったばかりの桂を再度▲8五桂に打って,次の▲9三桂成で詰みを狙います. (※ 放っておいたら次に詰むぞ,とゆう状態のことを「()めろ」と言います)
 この場合,後手は詰みを防ぐためには,狙われている9三の地点を補強するしか方法がありません. しかも,空いた8一の地点に,取ったばかりの桂を打つより他に,9三を守る方法もありません. そこで仕方なく△8一桂と打ちました.

 。。お気づきでしょうか?? これでなんと,また元の左図の状態に戻ってしまったのです.
 これが千日手です. 棋譜にすると,「▲9三桂成 △同桂 ▲8五桂 △8一桂」です.
 ここで,先手の「▲9三桂成」は王手ですが,「▲8五桂」は,"詰めろ"であって王手ではありません.
 従って,このループをあと2回繰り返せば,同一局面が4度現れて千日手成立,とゆうことになってしまい,指し直しとなります.



 左図右下の場面も,同様に無限ループです.(先手・後手とも持ち駒なし)
 今,後手が△2九馬と王手してきたところです.
 先手玉は,2七に逃げるよりなく,▲2七玉.
 玉に1六に行かれては大海に逃げられてしまうので,そうはさせじと後手△3八馬.
 1六に行けなくなった先手玉は,また戻るよりなく,△1八玉.
 ここで後手は,王を追い回すためには再度△2九馬と王手するしかなく,また左図に戻ってしまいました.

 この場合,棋譜は「▲2七玉 △3八馬 ▲1八玉 △2九馬」ですが,後手の指した手はすべて王手なので,「王手王手の千日手」は成立しません. 従って,後手は4回目に同じ局面が現れる前に手を変えなければなりません.
 考えられるのは,△2九馬のところで王手に行かず△2九金です.
 こう来られると,先手にはもはや守りようがなく,これは"詰めろ"のさらに上を行く「必死(ひっし)」と呼ばれる状態です. 次の△2八馬 または△2八金 による詰みを同時に防ぐことができないからです.
 ただし,実際の対局では,必ず別のどこかにいるはずの後手玉に,すでに"詰めろ"や"必死"が先手からかかっている場合,後手側としても先手玉に必死をかけている余裕などありません. ひたすら王手王手で追うしかないのです.
 なので,そのような,後手すでにあとがない状態で左図となってしまったら,王手王手の千日手をしても反則負け,途中で手を変えても後手玉が詰まされて負け,とゆうことで負けが確定です. いさぎよく負けを認めて,「投了(とうりょう)」(降参すること)してもらいましょう.(-人-)



禁じ手 C
()歩詰(ふづ)め』 はダメ!!
(()歩詰(ふづ)め』は良い♪)
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×       
    
     
 
      
     
 
     
       
    


 最後の禁じ手は「打ち歩詰め」です.
 将棋は,玉が次に必ず取られてしまう状態の『詰み』にしてしまえば勝ちですが,ひとつだけ,その詰みの形に禁じ手があるのです.



 左図の左上は,打ち歩詰めがいけない例です.
 後手玉の頭に,何か前に進む駒を打てば詰みの場面ですが,歩を打っては「打ち歩詰め」となり禁じ手です. したがって持ち駒に歩しかない場合,残念ながら詰みません.



 左図の左下は,打ち歩詰めではない例です.
 先手玉の頭に歩を打たれても,先手は▲同金とすることができます. その後,後手の△同金(または△同桂成)で詰みですが,歩を打たれた瞬間は,まだ詰みではないのでOKです.
 ようは, フィニッシュに歩を打ってはいけない ,とゆうことですね.(^^)b



 左図の右側の場面,先手は位置に歩を突けば後手玉は詰んでしまいます.
 この場合は,打って詰ませたわけではないので「打ち歩詰め」にはならずOKです.
 「突き歩詰め」と言います.

もうひとつの引き分け‥
持将棋(じしょうぎ)

 玉が攻撃を交わしきって敵陣3段目以内に入ることを,「入玉(にゅうぎょく)」と言います. これは王が入っても同じ呼び方をし,「入王(にゅうおう)」とは言いません.
 敵陣では,たとえ歩などの弱い駒であっても,たった2手で成れて金と同じ強力な働きになってしまいますから,入玉した玉の近くを手早くかつ強力に守れるようになります.  つまり簡単には詰まなくなってしまいます.
 それで,自分の玉が入玉してしまえば,あとはゆっくり攻めればまず勝てるでしょう.

 でも双方の玉が入玉してしまった場合,どちらも容易に詰みませんから,勝負がつかなくなってしまいます.
 この場合は,盤上のすべての駒を3段目以内に入れて終了し,持ち駒との合計で規定の駒数を満たしていれば「持将棋」として引き分けになります.

 その計算方法は非常にめんどくて,正式には「お互いが @大駒4枚+小駒4枚,A大駒3枚+小駒9枚,B大駒2枚+小駒14枚,C大駒1枚+小駒19枚,D小駒のみ24枚 のいずれかを持っていれば持将棋とし,なければ負け」とゆうものです.(^-^;)

 よくアマチュアで行われる簡単な計算方法としては,大駒が1枚5点,小駒が1枚1点として双方の持ち点を計算し,どちらも27点の時は引き分け,それ以外なら1点でも多い方が勝ち,とゆう勝負の決め方もあります.

 いずれにしても,あまり多くは見かけられないですが,たまにそうゆう結果になることもあるので,よかったら覚えておいて下さい(^^/


勝負終了!!
()み』投了(とうりょう)
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 これまで何度も上述してきたように,将棋は敵の玉を追いつめて逃げ場をなくすのが目標のゲームで,その状態のことを()み』と言います.

 左図は,いずれも「詰み」の場面です.

 まずは,最もポピュラーな「頭金(あたまきん)」での詰みです.
 頭金といっても,分割払いのことではありません.(爆)
 後手玉は,金を取っても歩がいるし,どこへ逃げても頭にいる金が効いているので逃げられません.

 では,銀で王手されていますが,その銀には龍が効いているので玉で取ることはできません. といって,玉の横にいる銀が▲同銀と取っても,今度は龍の横効きが玉に当たってしまうため,銀で取ることもできません.
 従って,これも「詰み」です.

 ですが,桂で王手してみたところ,後手玉は逃げ道すべてに飛車の横効きが通っていて逃げるに逃げられず,あっさり詰んでしまいました.
 これは,「()るし桂」などと呼ばれています. 動けない状態にある玉には非常によく効く詰ませ方です.

 最後にですが,金と香のダブル攻撃で王手されています.
 後手の金は,もともと香の前にいたのですが,ヒョイと香の道を空けて玉に当て(※ これを「()王手(おうて)」といいます),ついでに自分自身も王手したのです.
 これを「両王手(りょうおうて)」と言い,非常に厳しい王手です. 図のように,守備力の固い馬がいてもどうにもならないことも多いほど強力な攻撃です.



 このように,玉を詰ませることができたら勝負は終わりです. 詰まされた方は,いさぎよく負けを認めて降参しましょう.(^-^;)
 そのことを投了(とうりょう)と言い,自分の駒台(持ち駒を置く台)に軽く手を置き,頭を下げて,「参りました」とか「ありません」などと言ってその意志を表します.
 勝った方も頭を下げ,相手に敬意を表して気持ちよく終わりましょう.

 なお,投了は詰みの状態までいく前にやっても構いません.
 しばらく詰みがない状態でも,挽回が不可能なほど局面がひどくなって勝ち目がなくなっていたり,攻め急ぎすぎてうっかり自玉が守り切れない状態になっていた時なども,投了することがあります.
 まぁでも,諦めなければ最後まで何が起こるかはわからないし,あまりに早く投了するのも,かえって相手に対して失礼なので,できるだけ頑張って,できれば詰みの状態まで指し切るほうが良いでしょう.

 

 
◆将棋のマナー

 ここまで読んで下さった初心者の皆さん,どうもお疲れ様でした!!(^^/
 将棋の入門編,いかがだったでしょうか??
 最後に少し,対局の時のマナーだけ簡単に書いておきますね.
 マナーを守り,ぜひどうぞ楽しい対局をされて下さいね〜♪(⌒▽⌒)/


将棋のマナー@
礼にはじまり,礼に終わる
m(_  _)mペコ


 対局開始の時は,「よろしくお願いします」などと言って,軽く頭を下げてから始めましょう.
 対局終了の時も,「ありがとうございました」と,軽く一礼しましょう♪


将棋のマナーA
「待った」をしない
× (`´;)/チョイマッテ‥


 「待った」とは,一度指した手をやり直すことです.
 麻雀でいう,チャイですね.(^^;) (爆)

 対局中,「あーしまった‥こう指しておけば良かった。。(><;)」と思うことはしょっちゅうありますが,やり直してばかりいては強くなれません. たとえ悪手で不利な状況になったとしても,それで学んだり,そこから挽回しようとする時に実力がついていくものです.
 何より,「待った」は相手に対して大変失礼にも当たります.
 「待った」をしなくても良いように,ちゃんと考えてから指すようにしましょう♪


将棋のマナーB
長考しない
× (`m´;)ウーーーーーームゥ‥


 考えられる手が多い時など,難しい局面になると,なかなか指し手が決まらなかったり,読めなかったりしてつい長時間考え込んでしまうことがあります.
 でも,相手や見てる方は,その間ヒマで仕方ありませんね.(^-^;)
 なので,あまりに長時間考えすぎるのもできるだけ避けましょう.

 ただし,逆に何も考えずにサッサと指しすぎるのもまた,相手には少し失礼です.
 程よく考えてから指すように心がけましょう(^^/


将棋のマナーC
対局相手の邪魔をしない
× (⌒▽⌒)/ネーネーピーチクパーチク


 対局相手が考えている時などには,むやみに話しかけたり駒音を鳴らしたりして相手の思考の邪魔をしないようにしましょう♪


将棋のマナーD
助言をしない
× ( ´▽`)ノ ソコハダネ‥


 対局者同士の間ではもちろん,観戦者も,対局中に良い手が思い浮かんだりしても対局中には助言しないようにしましょう.
 どうしてもしゃべりたければ(笑),将棋が終わったあとに行われる「感想戦(かんそうせん)」(その対局での指し手をいろいろ検討すること) の時であれば何の問題もありません.(^^)b

 





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